高級な美に触れて快い、時間を過ごすことは、多忙な現代人にとりましては、ますます欠かすことのできない生活様式となってまいりました。美術館のもっている使命は、今にも増して、これからは、さらに重要度を高めていくことと存じます。
このような社会の要求を鑑みまして、人間国宝美術館を設立いたすことといたしました。この美術館の目標は、私達日本人にとって馴染み深い日本の現代美術のなかでも、重要無形文化財保持者、いわゆる「人間国宝」とよばれる人々の作品を展示して鑑賞に供するところにおいています。
当美術館において、技をきわめたひとだけが到達することのできる気高い「日本の美」を、どうぞご鑑賞いただき、ともすると忘れかけている、日本人の心のふるさとに浸っていただけますことを、お勧めいたす次第です。
人間国宝に指定されている広いジャンルの人々の中から、とくに工芸品(陶磁器、漆工芸・金属工芸・染織品・ガラス工芸など)と人形の名作を中心にして秀作を展示し、其の技の源となった古美術との比較展示もおこないます。また、その選に加わらなかった名人の作品も展示いたします。
あわせて、美術館のあります神奈川県湯河原町在住の陶芸家・細川護熙氏の近作を紹介する特別室もございます。